ずっとお城で暮らしてる

趣味にまつわる記録簿です。小説の感想がほとんどです。

宝くじに当たった必然性ではなく当たった時のリアクションに必然性を求めたいという話

先日、「劇場版 SHIROBAKO」をみてきました。

アニメ版を復習していけばよかったと思うくらいには、これまでの登場人物が沢山出てきましたが、それでも十二分に楽しめました。

 

これを気に思いにふけった、SHIROBAKOに限らない個人的考えも含みますが、感想を描いていきます。以下ネタバレを含みます。

 

 

「フィクションにおいて、どこにどこまで現実性を求めるか?」の問いに私は、「世界観にはあまり求めず、登場人物の心情には現実性を求めます」と回答します。

 

設定自体はどんなにぶっ飛んでても、ご都合主義でもいい。だってそれはフィクションなんだもの。だけれど、その設定の中を生きる登場人物たちの心の動きにはリアリティを求めたい。登場人物たちに、親切な作品であればあるほど、彼彼女らの息遣いが感じられるほど、一般に私の満足度は上がる傾向があります。

 

みゃーもりが悩み事をする際に現れる2体のマスコットキャラをどう捉えるかは、作品上で断言されない限りにおいて、受け取り側に一番都合の良い形で受け取ったらよいのだと思います。みゃーもりが病んでいると捉える方が想像が膨らむのであればそれでよし、アニメ上の演出でみゃーもりの心情変化を可視化したものととらえる方が自然と感じるのであればそれでよし、です。私は後者ですが、いずれにせよ、みゃーもりの心の動きは、この2体のマスコットキャラによって非常に丁寧に描かれていて、みゃーもりにとって非常に親切でした。

 

げ~ぺ~う~に乗り込む際の所もそうです。乗り込むという流れ自体は各人で勝手に解釈したらいいし、どう捉えるかは自由ですが、ああいった描かれ方をすることで、みゃーもりの心の動き、想いに非常に親切な設計だったと思います。

 

それだけではなく、アニメ版で丁寧にやってきた沢山の登場人物をあれよあれよという間に登場させておきながら、各人物に対して、非常に親切だったと感じました。アニメ版から引き継がれた想い、そして劇場版の中での成長・変化についても、ドーナツ娘たちを中心に非常に丁寧でした。

 

それにしても、みゃーもりこんなに魅力的だったっけ…と思わずにはいられない可愛さがありました。着物も素敵ですね。あっ、矢野さんはもちろんかわいかったです。

 

アニメをつくろうミュージカルパートとなめろうマーチなど、思わず笑ってしまった楽曲たちはありましたが、これらも含めて安定で最高のSHIROBAKOでした。

続編は期待してもいいんですかね。ただいい締め方だったと思います。