深緑野分さんの「この本を盗む者は」を読みました。
本屋大賞ノミネート作品10作目!!無事に読み切りました。総まとめは次の機会に。
深緑さんとは初対面でした。見るからに分厚く、またファンタジーっぽかったので最後に取っておきました。
すごく独特な世界観で、ひとつひとつ細かく設定がなされているような印象を受けました。
全体を通していくつかの世界を渡り歩くことになりますが、それぞれが独立した世界観であるが故に、独特な雰囲気に慣れてきた頃には別の世界へと、という感じで中々深く入り込めなかったのが少し残念でした。
一方で、中盤以降に仕組みが明らかになってきて、ある程度統一した方向でお話が進み始めてからは、非常に続きの気になる展開で楽しかったです。各登場人物の関係性もよかった。
以下、ネタバレ有りで少しだけ。
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冒頭の、真白と出会って本の世界に迷い込む感じは非常にワクワクが止まりませんでした。
一方で、本の世界パートは楽しめたかというと、微妙です。物語の世界というよりは、夢の世界のようで、割と何でもありな展開なんですよね。物語の世界の決まりをうまく活用して前に進んでいくというよりは、強引に物語を横断していくような。ここがあって、中々深く入り込むことはできませんでした。
4話以降は、御蔵館の謎が紐解かれていく流れで、世界観も比較的分かりやすく、一気に読めました。
真白の正体について、はじめは祖母なのかなと思っていたけれど、深冬自身が生み出していたとは。真白の役割が最期までよくわからなかったけど、ひるねの後継者ってことなのかな。
最後の演出は個人的に好き。冒頭に戻ってくる演出で、この小説を書いたのが深冬だという演出。活字の呪いからは抜けだけませんね(笑)