ずっとお城で暮らしてる

趣味にまつわる記録簿です。小説の感想がほとんどです。

『DELTARUNE』はいいぞ

『DELTARUNE』のチャプター1&2を遊びました。

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『DELTARUNE』は、あの『UNDERTALE』の作者であるToby Foxさんの最新作になります。

まだ途中のチャプター2までの公開となっていますが、なんと無料で遊ぶことができます。

 

かなり前にチャプター1だけ公開されていて、存在は知っていたのですが、せっかくなら全編公開されてから通しでやりたいなぁ、と思っていて触らずにいました。

 

ただ、かなり時間が空いてのチャプター2公開となり、これは全編完成まで待ちきれなくなるな、と思い、ネタバレを踏む前にやっちゃうことにしました。

 

やり始めてからは、ほんとうに夢中でプレイしました。ある意味でゲームという枠を超えて、別のところにあるもう一つの世界として、息遣いが感じられる作品でした。また、そう感じさせてくれるのは、『UNDERTALE』と同じく、Toby Foxさんによるトータルデザイン能力の高さのおかげだと思いました。

 

ゲーム性や物語展開を受けて、プレイヤーがやってみたくなる行動、抱く感情にどこまでも寄り添ったゲームデザインになっていると思います。

 

チャプター3以降が早くも待ち遠しいですが、気長に待たせていただきます。

 

では、チャプター2までについては、おそらくほぼほぼのメインイベントをプレイできたと思うので、ガッツリネタバレして感想というか妄想を垂れ流したいと思います。この作品は絶対にネタバレくらわないほうがいいので、ご注意ください。

 

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どうやってまとめるのが一番いいかな〜と思っているのですが、キャラクター中心にジャンルごとに書いていこうかなと思います。なお、考察については妄想をふんだんに詰め込んだ完全に個人的見解ですので、ただの妄想です。見当違いでもご容赦ください。

 

※裏ボス、およびチャプター2の別ルートについてもネタバレしています。ご注意下さい。

 

【プレイ状況】

プレイ前にくらってしまったネタバレとしては、アンテのキャラが出てるけどアンテの続きではないということや、結末は1つしかないよと断言されてるらしいことなど、大枠のものです。幸いにもストーリー内容については完全初見の状態で始めることができました。

 

チャプター1とチャプター2の通常ルートまでは、裏ボスも含めて自力でやり切ることができました。あ、ただ裏ボスがいるらしいというのは事前になんとなくネタバレ受けてたか。

 

そしてチャプター2には分岐ルートがあるらしいという情報だけ得て、いわゆるgルート的行動で頑張ってみましたが話が変わる感じがなく、結局分岐ルート(Aルートと呼ぶのが一般的らしい?)の条件だけは確認して、プレイしました。アンテのgルート以上に、知っててわざわざ行かないと辿り着かない仕様なのがゾッとしましたね…。

 

【クリス】

本作の主人公です。『UNDERTALE』の主人公よりも感情が見え隠れするポイントが多いような気がします。バトルシーンで「こうどう」した時に相手を指さす感じや、踊るときのコサックダンス具合がとても好きです。

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いまのところクリス自身が本作最大の謎と言ってもいいと思いますが、私としては、「クリスの肉体+プレイヤーのタマシイ」状態なのだと解釈しています。

 

クリスは基本プレイヤーが動かしているわけですが、そのなかでもプレイヤーの指示に抗うようなシーンなどがあり、プレイヤーでない意思の存在を感じます。プレイヤーが動かし始めてから、複数のキャラクターに「いつもとなんか違う」と評されることからも、プレイヤーが動かしているクリスとその前のクリスは同一状態ではないと解釈しています。

 

タマシイ(赤いハート)を抜き出すシーンは、アンテのCharaを彷彿とさせる感じでほんとにトリハダもんでしたが、あの描写により、少なくとも肉体(器)とタマシイが同一視できないことは確実かと思います。その器側がクリス、タマシイ側がプレイヤーではないか、という考察です。

 

では、クリスのタマシイは?となりますが、不明です。でも、プレイヤーのタマシイを取り出してもすぐに戻すことから、器だけでは長時間行動できないのでは?と独自解釈を加えれば、クリスのタマシイはどっかに行ってしまった(どこかに囚われていたりする?)のが有力かな、と思いました。

クリスがプレイヤーのタマシイを追い出し、自分のタマシイを取り戻すまでの物語だったりするのかな、という妄想です。

 

そしてチャプター2のラストもトリハダもんというか、本当に鳥肌がたちました。クイーンの闇の泉に対する考察で、ナイフが出てきてから、もしかしたら…と思ってはいましたが、まさかね…。

 

なんにせよ、クリスの器だと解釈している、タマシイを抜き取った後のクリスの行動ですが、

・チャプター1→バタスコをぜんぶ食べた。(+チャプター2の闇の泉を生成?)

・チャプター2→車のタイヤをナイフで切った。+自宅に闇の泉を生成

となります。クリスが騎士説はもちろんあるのですが、ライトナーなら闇の泉を生成できる以上、全ての闇の泉を同一人物が生成したとも限らんのですよね…。なので、チャプター1&2の方もクリスなのかどうかは、疑問です。どちらにしても、たぶんだけど、クリスのなかで闇の泉を生成することにまだ善悪の気持ちはないんじゃないかな。

 

クリスの器の行動から読み取れるのは、たぶんスージィのことが好き、ということですね。チャプター1ラストではスージィのことをプレイヤー指示なしに守ろうとしていたし、チャプター2の車のタイヤは恐らくスージィを泊まらせるためだし、闇の泉生成も、スージィが楽しそうにしてるからだと解釈することもできます。モンスターの子がスージィをいじった時に怒ったような顔もしていました。スージィを家に連れてきた時のトリエルの反応から、クリスには親しい友達があまり居ないであろうということを考えても、友達としてのスージィをとても大切に思っているような気がします。

 

【スージィ】

いわゆる根はいいヤンキーですね。特にチャプター1で徐々にみんなと仲良くなっていくのは非常に微笑ましかったです。ランサーと仲良くなってから城のエレベーターまでのくだり、そしてラストのボス戦の展開とか特に…。

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スージィはいまのところ良くも悪くも分かりやすいので、あんまり考察ポイントはないですが、おうちはどこなんだろうか?というのは疑問ですね。今後もしかしたら関わってくるのかな。

 

あとこれは本当にただの妄想ですが、チャプター2のAルート展開からみるに、最終的にスージィを殺戮モンスターにしようとするルート、あるんじゃないだろうか…。勝手に恐ろしくなっています。

 

【ラルセイ】

かわいいモフモフボーイです。アンテは最終的にマトモなキャラクターなんていませんでしたが(褒め言葉)、ラルセイはなんとマトモです。どんな選択肢を選んでも喜んでくれるし、親身に世話を焼いてくれる…。チャプター2でのスージィとの仲良し具合も微笑ましかったです。

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防御ラルセイかわいい

 

私、チャプター1の裏ボス前に、もちものを圧迫するマニュアルを捨ててしまったのですが、その時の反応が切なくて切なくて…。その瞬間は裏ボスのことばかり考えていて躊躇なく捨ててしまったのですが、チャプター2のクリスの部屋にゴミ箱を用意して「これでいつでもマニュアルを捨てられるよ!」と言われたのでだいぶ後悔しました…。ごめんて……そんなに根に持たんといて…。

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ただ一転して、現時点でマトモだからこそ後半で化けるキャラクターなんじゃないかな、と思っています。ラルセイは、闇の世界及びそのなかでの物語を構築しているんじゃないかな、というのがほぼ妄想レベルの考察です。

 

まずラルセイは、ゲームシステムについて言及します。「たたかう」をコマンドとして捉えていること、「メニュー」の開き方を知っていること、「セーブ」の概念を知っていること、など。スージィがゲームシステムの説明に困惑する描写もあることから、これは意図的なものであると思います。アンテでもゲームシステムに言及するキャラクターは限られていましたし。

 

そして、序盤で説明してくる伝説がたぶん正確でないことです。闇の泉を封印するのは3人の力が必要とされていますが、実際にはクリスとスージィ、またはもはやクリスだけで封印する描写になっています。そして伝説と言っておきながら、最近の話(チャプター1の話)まで入っていることです。これは、クリスとスージィを自分の意図通り動かすためにラルセイが作ったものなのでは?と思いました。

 

そしてチャプター2のAルートでの発言が1番メタいですが、「本当ならここで…!」と通常ルートと展開が違うことに戸惑っています。これは、アンテと同じように、ラルセイもセーブ&ロードの力を持っていると考えることもできますが、だったらそれはそれでAルート展開も予め知っていておかしくない気もします。時間を操っているというより、闇の世界でのストーリーには台本があって、ラルセイはそれを知っている感じがしました。

 

なので、思いついた展開としては、闇の世界はラルセイが作り上げた世界、さらに妄想を広げるならゲーム世界(プレイヤーからみるとゲーム内ゲーム)が土台となっているのではないかということです。

クリスとスージィ、そして自分を主人公とするゲームを作り上げ、そこに何らかの方法で闇の世界と称して現実世界のキャラクターを引き込んでいる。

こうだと仮定すると、ゲームシステムを説明できるし、シナリオも決まっているので、先読みができる。ただ、各キャラクター(特にクリスとスージィ)の行動までは制御しきれていないので、うまく自分の筋書き通りにことが運ぶように、マトモキャラの立ち位置で導いていこうとしている。どんな選択肢でも喜んでくれるのも、逆にどんな選択肢でも喜ぶことで物語をコントロールするため。そんなことを考えました。

この仮説でいくと、チャプター2までの闇の泉はラルセイが用意したものの可能性が高いと思っています。だからこそ、クリスが生成したことが確定しているチャプター3でのラルセイの反応が楽しみです。

 

世界作ったはさすがに妄想が過ぎるかな…。でも何らか知っていることを隠しているのは確実だと思うので、今後の展開が楽しみです。

 

そしてラルセイのもう一つの謎としては、アズリエルでは?ということですよね。先程の仮説のゲーム世界というのも、アズリエルとラルセイを同一視した場合に、アズリエルがゲーム好きな描写が多いことからの妄想になります。ゲーム世界を正しいとすれば、遠隔からでも参加できたりするだろうし、クリスとスージィ同様、地上世界での見た目とは変わっているので、クリスやノエルは気づかない(とはいえノエルは言及しようとするシーンがある)。特にメガネは、自分がアズリエルだとバレないようにするための変装なんじゃないかな、と思いました。スージィがメガネを盗んでからかうシーンがありますが、とても悲しい顔でやめてと訴えています。

なんにせよ、アズリエルが帰ってくるのが来週、チャプター1つで1日経過していることを考えると、終盤でなんらかの関わりが出てくるでしょうね…。

 

【ランサー】

とてもパピルス味を感じる。序盤は敵だけど阿呆キャラで行く感じとか、突拍子もない感じとか。スージィと一緒に笑うSEすき。

やっぱ敵キャラも魅力的なのが、やってて楽しいですよね。

チャプター2でだいじなものに居て、シーンごとに異なるセリフをしゃべるの、だいぶ中盤まで気づいていませんでした…。これが今回のパピルス電話枠だったか…。いつかもう一度遊ぶときは、こまめに見よう。

 

【クイーン】

クイーンもパピルス味とはちょっと違うけど、序盤からすでにあんまり怖くないというか、後々仲間になる感じがすごい(笑)。クイーンとノエルってもともと関係性があったような雰囲気なんだけど、なんかあるのかな…それとも単にノエルのネット利用事情からクイーンが一方的に把握しているだけなのかな。

なんとなくノエルママの比喩的存在なのかな、とも思いました。またノエルと会う機会があるといいな。

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【ノエル】

チャプター2の主人公と言っても良いのではないでしょうか…。

通常ルートでは、クリスの幼馴染として、スージィに恋する乙女として、少し夢みがちだけど素直で明るい女の子です。冒険を通じて次第に精神的に強くなっていって、ラストではクイーンに物申すまでに成長します。現実ではまだまだママとのすれ違いがあるみたいだけれども、この調子で明るい未来へ進んでいけそう、そんな気持ちになりました。現実世界に戻ってきたあとの、スージィのシッポを探すシーンはほんと可愛かったです。

 

Aルートでは、一番変化のある子です…。クリス、というよりはプレイヤーの指示に従って敵を凍らせ続ける。通常ルートではあんなに微笑ましかった、クリスと2人でスイッチを押すシーンが、あんなに怖いシーンに変わるとは…。冒険を通じて物理的に強くなってしまい、精神的には壊れかけ、プレイヤーに対してクリスよりも忠実になっていきます。

 

ノエルの頭の中でのモノローグに対して直接反応している描写が多数あることから、特に後半はプレイヤーが直接(クリスを介さずに)ノエルに指示を出していると考えられます。よりゲーム的にいうならば、ノエルをプレイアブルキャラとして操作しているというのが正しいでしょうか。

ノエルの記憶が飛ぶ描写があることから、カットされていますがプレイヤーが直接ノエルを操作しているという解釈もできるように思います。普通のゲームでは、ゲームの進行やレベルアップに応じて、主人公以外にもプレイアブルキャラが増えていきますが、そういった当たり前もキャラクター側から見ると、恐怖でしかないですよね。自分の意思とは異なる行動をさせられる操り人形へとなっていく、と皮肉的に描いているのではないでしょうか。

 

現実世界にはちゃんと戻ってきたノエルですが、影響を思いっきり受けていて、現実世界でもプレイヤーに操作権を奪われかけているのではないでしょうか…。うでどけいのくだりは本当にゾッとしました。

 

アンテのGルートは自分がやっている感覚でしたが、これは完全に自分でないキャラクターにやらせている、そしてそれは100%自分(プレイヤー)のせいである、というのが如実に感じられて、非常に心苦しいシーンが多かったです…。それでも知りたくてやってしまうのですが、今回は興味というよりは明確な悪意がないと先に進めないのかもしれません…。

 

そしてこれはルートを問わずですが、ママとの確執、そして現在どこで何をしているのかについては一切語られていないと思われるディセおねえちゃんについて、まだまだ気になることが多いキャラクターです。今後のチャプターでも出番があるといいな。

 

【バードリー】

どう見てもファルコに似ているので、どこだったかでスマブラネタがあったのは笑ってしまいました。

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バードリーもバードリーで、通常ルートでは苦い過去から現在までの経緯があり、でも今回の冒険を通じて少し素直になれそうな微笑ましい展開でした。常に正しくあろうとするのはとても大変だよね。

そしてAルートでは眠ったままなのですが、どうなっちゃっているのでしょうか…??そこがAルートで一番怖くて。ノエルは影響を受けたとはいえ無事に戻ってきたから最悪よいとして、彼はどうなるの……。ノエルに凍らされるのが、「Twitter凍結」とどこかの考察かなにかで書かれていて、不謹慎ながら笑ってしまいました。でも、解凍する未来もあっていいよね…?(自分でやっておきながら)

 

【ジェビル】

チャプター1の裏ボスです。完全に弾幕ゲーで、かなり強くて結構時間がかかりました。クリスが行動不能になると負のループなんですよね…。なんとか倒せました(見逃し)。あとBGMが最高。何度もチャレンジするので何度も聴くことになるわけですが、メガロバニアと同様、何度聴いてもテンションがあげられるというか。

それにしても、いわゆる平和主義者ルートでも強キャラと闘えるシステムなのは、中々の改善点ではないでしょうか。つまり、ゲーム的な楽しさを求めることを殺戮ルートへ進む言い訳にはできない、と…。

 

【スパムトン】

チャプター2の裏ボスかつAルートのボスです。個人的には、ジェビルよりは簡単でしたが、そもそもゲーム性が違うので比べるものではないか。あとはクリス以外も「こうどう」できるようになってるのがデカい。ゲームとしても進化しているな、と思いました。

とはいえ、Aルートボス時は苦戦しました。やっぱり3人居ることに甘えていたんだな…というのがよく分かりました。

そしてジェビル同様、BGMが良すぎる。明らかにメタトンを意識したBGMで、非常にテンション上がりました。

 

【BGM】

今回も全てが好きと言っていいくらい、本当に良いBGMばかりでした。ここ数日、チャプター1&2のBGMアルバムを延々流しています。

チャプター1では、特にルードバスターが好きです。これ聴くためだけに積極的にバトルしたまであります。

チャプター2はA CYBER'S WORLD?です。そのほかも全般にエリア曲がどれも好きで、歩いてるだけで楽しかったです。ほんとすごい。

 

【今後について】

今回は1つの結末しかないと公表されているようです。

クリスの考察でも書きましたが、最終的にはクリスが自分のタマシイを取り戻し、プレイヤーに操作されることのないクリスの望む結末になるんじゃないかな、と思っています。

その過程として、プレイヤーがクリスの協力者となるか敵対者となるかは、プレイヤー次第、というとこじゃなかろうか。

非常に楽しみです。

 

【まとめ】

好き勝手考察してきましたが、私以外にも非常に多くの方がプレイし、考察され、色々な説がでている本作です。この膨大な考察に耐えられているのは、やはりトータルデザインの完成度の高さゆえだと思います。

 

台詞1つ取っても考察されるというのは、逆を返せば、制作側にとっては、台詞1つ取っても整合性・一貫性を取らないといけない、ということです。キャラクターの息遣いを感じさせるために、各キャラクターの言動に細心の注意を払って制作されていることが想像できます。これは並大抵の能力ではないと思います。つまりToby Fox さんは天才なわけですが、天才であってもこれを完成させるには非常にコストと時間がかかるはずです。

なので、私はゆっくりと待ちながら、投げられる機会があれば喜んでお金を投げさせて頂きます。

 

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