湊かなえさんの『望郷』を読みました。
湊さん読むの久々です。積読には前から何冊か並んでいるのですが、湊かなえ作品はボディーブロー作品(?)が多いので、覚悟して読まないといけないのでね…。
本作は、湊さんの出身である因島をモチーフにした小さな島に暮らす人々の短編集です。因島というと、某友人がパンクした記憶しかない…。
小さな島という閉鎖空間でのしがらみ、そのうえでの人々の営みが非常に繊細に描かれていました。私個人がここまでの閉鎖空間に馴染みがないので、短編の長さでは感情移入はなかなか難しかったですが、湊さんらしいヒリヒリ感を思い出すことができました。
以下、簡単に短編ごとの感想を書きます。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
■ みかんの花
これは長編で読みてぇ~~ってなりました。最期の落としどころというか、真相が鮮やか。もうちょっと後味悪くてもいい(笑)
■ 海の星
噛み合わせの悪い想いの交錯…。
■ 夢の国
家族という閉鎖空間がもたらす悪夢。大人は常に客観視していかねばなるまいが、年を取るほどそれを怠ることになるのだろうというのは容易に想像がつく。
■ 雲の糸
一番吐き気のした物語です。いや、いい意味です。(いや、いい意味の吐き気ってなんだよ…)
■ 石の十字架
一番すき。縁のお話。
■ 光の航路
いじめって難しい。ケースバイケースすぎて…。