ずっとお城で暮らしてる

趣味にまつわる記録簿です。小説の感想がほとんどです。

2020-02-01から1ヶ月間の記事一覧

「これこそがマカロンです」

「巴里マカロンの謎」は、驚くべきことに11年ぶりの小市民シリーズ最新刊です。 私は高校生の時に春期~秋期を読んだと思うので、11年丸々待ったわけではないですが、それにしても久しぶりである…このコンビのテンション感を忘れてしまう程度には。 時系…

もし円紫さんがお金持ちのご令嬢だったら

「覆面作家は二人いる」は、「円紫さんと私」シリーズや「中野のお父さん」と同様に日常の謎を扱う作品と分類することができますが、やや方向性が異なります。 まず第一に、殺人事件も扱うということ。主人公の双子の兄は警察官であり、主にはそこから流れて…

もし円紫さんが国語教師をやっているお父さんだったら

北村薫さんの「円紫さんと私」シリーズ、とても好きなのですが、やや取っつきにくい所があるとすれば、落語や文学史よりの話が多い所だと思います。 円紫さんは言わずもがな落語家だし、「私」は大学で文学のことをやっているしで、そっちに話が行きがちです…

正しさなんて、すててしまえ

「流浪の月」、「わたしの美しい庭」と読んできて、私の中で完全に急上昇ランク1位にいる凪良ゆうさん。 「流浪の月」を読んだとき、衝撃を受けたとともに、多少の後悔がありました。1作目にこんなに刺さる作品を読んでしまうと、どうしても2作目以降のハ…

やがて海へと届きました

「暗い夜、星を数えて」で語られている、東日本大震災での彩瀬さんの実体験を経て、それを小説に昇華させたような、彩瀬さんの祈りの物語があります。 「やがて海へと届く」は、一人旅の途中で震災に遭い消息を絶ったすみれにまつわり、その親友である真奈を…