ずっとお城で暮らしてる

趣味にまつわる記録簿です。小説の感想がほとんどです。

2021-12-01から1ヶ月間の記事一覧

2021年の本棚

2021年も終わりですね。 今年は、去年に増して外に出ず、引きこもって読書ばかりしていました。本当に文字通りそうなのです。休みの日にやっていることを他人から聞かれても『本を読んでいます』としか答えられず、適当言って誤魔化そうとしている風に聞こえ…

だれかのいとしいひと

角田光代さんの『だれかのいとしいひと』を読みました。 これも、誰か(たぶん小説家さん)がどこかでオススメしていて読んだのですが、まったく思い出せない…。角田光代さんとは初対面です。表紙すてきですね。 恋愛を描いた短編集です。短編ごとに味がある…

セラフィマと戦争を駆け抜ける

逢坂冬馬さんの『同志少女よ、敵を撃て』を読みました。 本作は、あらゆる界隈から推されていて、いろんな所でこの作品名を目にしてきました。ここまで推されていると、逆に引いてしまうあまのじゃくな私ですが、直木賞候補にまで選ばれたということで、これ…

柴田勝家P

柴田勝家さんの『雲南省スー族におけるVR技術の使用例』を読みました。 柴田勝家さんの『ニルヤの島』に出会わせてくれた友人からの、柴田勝家2作目としてのオススメ作です。 本作は表題作の短編1つと、限界ヲタクPの活動日記がついています。 気になった…

日差しに浮かぶ星のような埃の粒

彩瀬まるさんの『新しい星』を読みました。 いやそれにしても彩瀬さん、筆が早い…。今年だけで3冊も刊行されるとは。雑誌での連載ものだから色々重なっただけかもしれないけれど。 本作は幻想要素はほとんどなく、現実と地続きになっているような作品です。…

『大切なのは文脈なのだ。』

マーガレット・アトウッド作、斎藤英治訳の『侍女の物語』を読みました。 これは、どこかで誰かにオススメしてもらって買ったはずなのですが、どこの誰だったのか全く思い出せない…。というのも、買ってから1年か2年くらい積んでいたので、買った時の記憶…

王道を往くどんでん返し

綾辻行人さんの『十角館の殺人』を読みました。 余りにも有名な作品ですね。新本格ミステリの幕開けとなった一冊に位置するようで、ミステリ好きの方からはことごとくオススメを頂く作品です。 私はこれまで、いわゆる館ものにはほとんど縁がありませんでし…

黒牢城で渦巻く"信念"

米澤穂信さんの『黒牢城』を読みました。 発売当初に買っていたのですが、見た目からして重厚感が凄そうで、しばらく積読して熟成させていました。時代小説を普段はほとんど読まないので、戦国×ミステリという物々しさにちょっと手が出てなかったのもありま…