ずっとお城で暮らしてる

趣味にまつわる記録簿です。小説の感想がほとんどです。

読書

子から親への愛

宇佐見りんさんの『くるまの娘』を読みました。 『推し、燃ゆ』と『かか』で宇佐見作品の虜になっていた私を、ダメ押しで虜にするような作品でした。完全に宇佐見作品は私の推しとなりました。 本作は、『推し、燃ゆ』と『かか』でも語られたような"家族"が…

マシュマロ・ナイン

横関大さんの『マシュマロ・ナイン』を読みました。 横関さんとは初対面です。お名前の漢字がどれも相撲を想起させるので、そういった作風なのかと思いましたが、他作品みると別に相撲関連というわけでもないようでした(笑)。 本作は、元相撲部の9人が突如…

森の匂いがする

宮下奈都さんの『羊と鋼の森』を読みました。 2016年の本屋大賞受賞作です。以前からずっと気になっていて、なんだか勿体なくて読めていなかったのですが、ついに読みました。 ピアノ調律師のお話で、特にファンタジー要素はないのですが、なぜかとても幻想…

白いだけじゃない少女たち

氷室冴子さんの『さようならアルルカン/白い少女たち』を読みました。 本作は、氷室冴子さんの初期傑作を今一度本にしたという作品集です。 氷室冴子さんについては、お名前は知っていましたが対面するのは初めてでした。ただ、こういう雰囲気の女流作家さん…

新しい日々

芝木好子さんの『新しい日々』を読みました。 こちらは、以前オシャンな本屋に立ち寄った際に買った本です。折角なら、普段の本屋では手に入らなそうな本を買いたいな~と思っていたところで、ビビッと目が留まりました。 めちゃくちゃオシャンじゃないです…

キング・オブ・ポップ

桜庭一樹さんの『傷痕』を読みました。 桜庭さんはこの前『製鉄天使』を読んだばかりなので、もう少し間を開けたかったのですが、ふと気づいたら積読本の中の桜庭率が異常に高くなっていたので、目についたこいつを読みました。桜庭作品はまだまだ読んでいな…

ヴィーナスの命題

真木武志さんの『ヴィーナスの命題』を読みました。 友人からのオススメ本で、確か『なんだかよく分からなかったので読んでほしい』みたいなオススメのされ方だったと思います。 ごめん、私も分かりきることはできなかったよ…。 本作は青春ミステリ小説です…

恋愛地獄小説だって一生推してろ

斜線堂有紀さんの『愛じゃないならこれは何』を読みました。タイトルオシャレ。 最近、YouTubeの『ほんタメ』というチャンネルを時々見ているのですが、これの企画の大賞に選ばれた作品です。前々から、チャンネル出演者の齋藤明里さんと好みの方向性が似て…

本屋大賞2022、ご馳走様でした!

昨年に続いて、今年も本屋大賞ノミネート作10作を、すべて読むことができました。 とても濃密で幸福な期間でした。新しい出会いがあり、未知の世界との触れ合いがあり、本屋大賞はやはり多種多様な作品がそろうなぁとしみじみ感じました。 さて、今年も甚だ…

🌚🌛🌝🌜🌚

小田雅久仁さんの『残月記』を読みました。 本屋大賞ノミネート作、ラスト!無事に走り切れました。10作の振り返りは、また別で書きたいと思います。 本作は、ノミネート作が発表されたときに未読であった7作の中で、あらすじを読んで一番面白そうだと感じ…

伏線回収の鬼👹

朝倉秋成さんの『六人の嘘つきな大学生』を読みました。 本屋大賞ノミネート作、9冊目!ゴールまであと一歩です。 朝倉秋成さんは今回が初めましてになります。本作については、名前はノミネート前から見かけることはありましたが、就活がテーマの作品は、…

ハゴロモ

よしもとばななさんの『ハゴロモ』を読みました。 ザ・よしもとばなな、な作品です。幻想的な雰囲気の中でも、現実に通ずるような祈りの物語が展開されて、読者をほんのりと優しい気持ちにさせてくれます。 本作は、都会で色々あって傷ついた主人公が、ふる…

”繋がり”と”多様性”

朝井リョウさんの『正欲』を読みました。 本屋大賞ノミネート作、8冊目!あと2冊を3月中に読めればよいので、あとは流して走っても余裕そうです。 朝井リョウさんはとても有名な方ですが、実は私は今回が初めましてでした。朝井リョウさんって"就活"のイ…

姉ちゃんは魔王

一穂ミチさんの『スモールワールズ』を読みました。 本屋大賞ノミネート作、7冊目!今年はアドバンテージもあったので順調すぎます。 本作は、ノミネート作が発表される前から話題になっていたので気にはなっていました。なのでノミネート作の中では一番読…

男たちの朝

西加奈子さんの『夜が明ける』を読みました。 本屋大賞ノミネート作の6冊目!無理なく順調に楽しく読めていてハッピーです。とはいえ、今回のノミネート作、内容的にも分量的にもヘビーなものばかりでは…?? 西加奈子さんは、『きりこについて』や『さくら…

本格ミステリのテーマパーク

知念実希人さんの『硝子の塔の殺人』を読みました。 本屋大賞ノミネート作の5冊目です。あれ、もう半分読んでしまったことになるのか…でも発表されてからの読書という意味だと倍以上あるのでまだまだ楽しみは尽きません。 知念実希人さんとは、初対面です。…

母の祈り、娘の祈り

町田そのこさんの『星を掬う』を読みました。 本屋大賞ノミネート作が発表されたので、今年も爆買いしてきました。『正欲』だけまだ手に入っていないのですが、発表までには全作揃えて読みたいなぁと思っています。 既読作品が3作入っていたので、本作が4…

短劇

坂木司さんの『短劇』を読みました。 坂木司さんは『和菓子のアン』シリーズを読んでいますが、本作はそういったいわゆる日常の謎とは一線を画す作品でした。 非常に短い短編(10ページ前後)がたくさん詰め込まれていて、全体に不思議な世界観で、少し風刺的…

まじめさん

三浦しをんさんの『舟を編む』を読みました。 三浦しをんさんとは初対面です。去年で、本屋大賞の偉大さに気付いたので、過去の受賞作も隙を見て読んでいこうシリーズになります。 本作はいわゆるお仕事小説です。辞書を作る仕事という、多くの人は触れるこ…

えいえんよりも優しい刹那

桜庭一樹さんの『製鉄天使』を読みました。 本作は、『赤朽葉家の伝説』のスピンオフ?作品となります。毛鞠の章でこれくらい濃厚なレディース抗争を描いたらしいのですが、主題から離れすぎて?、泣く泣くカットした部分を再構成した作品のようです。(認識…

望郷

湊かなえさんの『望郷』を読みました。 湊さん読むの久々です。積読には前から何冊か並んでいるのですが、湊かなえ作品はボディーブロー作品(?)が多いので、覚悟して読まないといけないのでね…。 本作は、湊さんの出身である因島をモチーフにした小さな島…

ひのくるま

宮部みゆきさんの『火車』を読みました。 『ソロモンの偽証』と『孤宿の人』で完全に宮部みゆきさんの虜になりつつ、その分厚さには慣れていない私に、これまた友人がオススメしてくれたものです。 オススメしてもらった本作と、『理由』と『模倣犯』を半年…

2021年の本棚

2021年も終わりですね。 今年は、去年に増して外に出ず、引きこもって読書ばかりしていました。本当に文字通りそうなのです。休みの日にやっていることを他人から聞かれても『本を読んでいます』としか答えられず、適当言って誤魔化そうとしている風に聞こえ…

だれかのいとしいひと

角田光代さんの『だれかのいとしいひと』を読みました。 これも、誰か(たぶん小説家さん)がどこかでオススメしていて読んだのですが、まったく思い出せない…。角田光代さんとは初対面です。表紙すてきですね。 恋愛を描いた短編集です。短編ごとに味がある…

セラフィマと戦争を駆け抜ける

逢坂冬馬さんの『同志少女よ、敵を撃て』を読みました。 本作は、あらゆる界隈から推されていて、いろんな所でこの作品名を目にしてきました。ここまで推されていると、逆に引いてしまうあまのじゃくな私ですが、直木賞候補にまで選ばれたということで、これ…

柴田勝家P

柴田勝家さんの『雲南省スー族におけるVR技術の使用例』を読みました。 柴田勝家さんの『ニルヤの島』に出会わせてくれた友人からの、柴田勝家2作目としてのオススメ作です。 本作は表題作の短編1つと、限界ヲタクPの活動日記がついています。 気になった…

日差しに浮かぶ星のような埃の粒

彩瀬まるさんの『新しい星』を読みました。 いやそれにしても彩瀬さん、筆が早い…。今年だけで3冊も刊行されるとは。雑誌での連載ものだから色々重なっただけかもしれないけれど。 本作は幻想要素はほとんどなく、現実と地続きになっているような作品です。…

『大切なのは文脈なのだ。』

マーガレット・アトウッド作、斎藤英治訳の『侍女の物語』を読みました。 これは、どこかで誰かにオススメしてもらって買ったはずなのですが、どこの誰だったのか全く思い出せない…。というのも、買ってから1年か2年くらい積んでいたので、買った時の記憶…

王道を往くどんでん返し

綾辻行人さんの『十角館の殺人』を読みました。 余りにも有名な作品ですね。新本格ミステリの幕開けとなった一冊に位置するようで、ミステリ好きの方からはことごとくオススメを頂く作品です。 私はこれまで、いわゆる館ものにはほとんど縁がありませんでし…

黒牢城で渦巻く"信念"

米澤穂信さんの『黒牢城』を読みました。 発売当初に買っていたのですが、見た目からして重厚感が凄そうで、しばらく積読して熟成させていました。時代小説を普段はほとんど読まないので、戦国×ミステリという物々しさにちょっと手が出てなかったのもありま…