ずっとお城で暮らしてる

趣味にまつわる記録簿です。小説の感想がほとんどです。

小説でしか聴けない音楽

恩田陸さんは結構有名な方だと思うけど、私の中では大変昔に「光の帝国 常野物語」を読んだきりの状態でした(もはや内容も完全に忘れ去られている)。

 

蜜蜂と遠雷」は、直木賞本屋大賞を獲った作品であるし、ピアノを弾いていた経験もあることから興味は強くありました。

 

ただ、いざ買ってみると上下巻ともに分厚く、これは中々意気込む必要があるぞ、と積読していたらあっという間に1年が経ち、こうしてようやく読むに至りました。

 

端的に、めちゃくちゃ面白かった。分厚いことは読む障壁から幸福に変わり、むしろもっと浸っていたかったと思わせるほどに。小説を読む醍醐味を感じることができた。まるで自分がコンサート会場にいるような臨場感、そして不思議と聴こえてくる音楽。これは、小説でしか聴けない音楽だと思いました。

 

クラシックの世界に詳しくなくても、いや、詳しくないからこそ、より楽しむことができる部分が多いと思うので、万人にオススメできます。

 

以下、ネタバレを含む感想をつらつらと書きます。

 

 

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くどいようですが、本作の一番の魅力は「小説でしか聴けない音楽が聴こえてくる」ことだと感じました。

 

私は、クラシックおよび音楽史への造詣は全くありませんし、普段クラシックを好んで聴く人間ではありません。だからこその感想になること、ご承知ください。

 

もし現実で演奏を聴いても、なんかすごいとしか表現することができず、作中で描かれるような、演奏のなかに物語性を感じたり風景を感じたりすることはできないと思います。

 

でも、小説を介してであればそれが可能、小説でしか可能ではないのです。小説はよく他人の人生の追体験と表現されますが、まさしくそういう風な。演奏に物語性を感じることのできる感受性を持った人間として、小説から溢れ出てくる音楽を聴くことができました。

 

というか、恩田陸さんの表現力、凄すぎませんか?客観的にみれば延々と演奏シーンが続いて、後半は飽きてきそうな展開というか、表現の引き出しがすっからかんになって、退屈してしまうような展開です。なのに、まったくダレることなく、最後まで表現しきっていて、退屈することがありませんでした。

 

本選の亜夜の描写がなかったのは、小説としては終わりだけれど、彼女らはここから始まるんだ、決してここがゴールではない、というものを予感させます。また、ここまで読んだ読者であれば想像で容易に補完できるので、うまいやり方だと思いました。

 

次は、登場人物ごとに感想を。よくある、破天荒な天才と正確精巧なライバルとの対立といったような構造は弱く、登場人物たちが影響を与え合い、成長していく所が主眼に置かれていました。登場人物たちに対してとても丁寧で、好きです。

 

【栄伝亜夜】

本作の主人公は彼女だと思ってます。そう思うくらい、彼女の成長物語(というより覚醒物語か)である側面が強い印象でした。

コンクールに渋々の参加だった状態から、塵やマサルに影響を受けて格段にレベルアップしていく。彼女自身が言っていたように、塵やマサルによって埃や垢がこすり取られただけで、掘り出されたのは元々亜夜の中に眠っていた音楽だというのが、グッときました。

メタ的にみても、小説として、彼女の順番を塵の後ろに置くのは、策士だなぁと思いました。

本作の冒頭の頃から、自然の音に音楽を感じ、また逆に、音楽を自然の音に比喩させて表現するのは、「音楽を世界に連れ出す」能力に長けているんだろうと思いました。だからこそ塵は彼女に、仲間になってくれる可能性を一番に見出しているのだと感じました。

彼女をはじめ、やっぱり登場人物はみな生まれ持った才能が桁外れで現実の自分とはかけ離れすぎているんだけど、それでも共感できてしまうのが不思議でした。

 

【風間塵】

この子は結果としてギフトであっただろう、と思います。三枝子が気付いていたように、彼が触媒・起爆剤となって、他のコンテスタント・審査員にまで大きな影響を与え、音楽の世界を変えていく。世界を変えることのできる天才です。

彼はこれからも、自由で伸び伸びと育っていって欲しい。そして、音楽を世界へ連れ出していって欲しいです。

 

マサル

序盤は、彼が塵のいわゆるライバルポジションで、正確精巧な(俗にいえば審査員受けする)演奏をするヤツなのかな、と思ってましたが、全然違いましたね。心も含めて何から何までイケメンでした。

彼のそうした立ち位置が、本作を爽快な物語にしてくれていると感じました。

アーちゃんとのテンション感は普通の19歳の少年だし、一番常人に近い天才ですかね。アーちゃんと付き合ったとしても、マーくんの方が耐えられなくなって降参しそうな未来がみえます(笑)

 

【高島明石】

彼もすごく魅力的なキャラだったなぁ。一番努力しているのが伝わってきたので、そうだろうと思ってはいても、菱沼賞受賞のくだりでは、おめでとうの気持ちでいっぱいになりました。

亜夜と一緒に泣きじゃくるシーンも印象的でした。明石の「ありがとう」で二人よりも先に泣きました。

 

 

【まとめ】

非常に面白かった。なんだかわからないけれど、じんわりと涙が出てくる所も多かった。最近涙腺がバグりすぎている…。

つらつらと書いたように、小説でこその魅力を多く感じたので、映画は観るの迷うなぁ………。この感動を忘れた頃に、観ようかな。

ドモネ!手ミーだ!

UNDERTALEとの出会いは、2019年末。前々から色んな人にオススメして貰っていて、ちょうどSwitchセールで1000円くらいだった時に買って始めました。今考えると1000円でこれってやばすぎるな…。

 

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代表的な3ルート、クリアしました。

 

自分のワクワク感に120%の返事をしてくれる最高のゲームでした!こうやってみたらどうなるかな…?こうしてみたらコイツはなんて言うかな…?というワクワクに対して、良くも悪くもキチンと用意があり、NPCを含めて登場キャラクターがみんなまるで生きているような世界観でした。

 

小説を読む時によく思っているのですが、創作に対して個人的に求めるものは、登場キャラクターの息遣いがどれだけ感じられるかなんですけど、まさしくそれが特徴的な作品でした。(こんなこと言ってgルートやるあたり矛盾してますけど、gルートこそキャラクターの息遣いが感じられた部分もあったかと…。)

 

以下、私の時系列で、全ルートネタバレありの感想を書いていきます。本作品はネタバレを受けるとマズいので要注意です!また、基本は自分の振り返り用メモなので、まとまりのない記述の不親切設計です。

 

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① nルート

私の中の事前情報としては、ニンテンドーショップ?で見たPVのみで、「モンスターと闘うことも和解することもできて、誰もしななくていいやさしいRPG」という特徴でした。n,pルートはそれ以上のネタバレをシャットアウトして最後まで進めました。やるべきは完全和平の道でしょう!と決めてファーストプレイ。

 

序盤から速攻で裏切るフラウィ、そのせいもあって初見だとなんだか怪しいトリエルさん。すごく独特な雰囲気の中で、BGMの良さをこの時点でもう感じていました。

 

はじめにこのゲームすげぇなぁ…と思ったのはトリエルさんへの電話。同じコマンドで電話をしても、2回目以降は必ずこれまでの電話を受けた内容になっていて、なかなか変化が終わらないこと。これまでのゲーム経験ではあっても2回目くらいまでで、3回目、4回目と細かくセリフが変わっていくのが衝撃でした。「生きて」いるね。

 

不殺&戦うコマンドを一回も使わずでトリエルさんの所まで進んでいきました。ただ、トリエルさんの和解方法が全く分からない。悩んだ末、戦うで体力を減らすと何か変化があるのかな?と思ってやってみると、中盤くらいで謎の大ダメージになり、殺してしまいました。

 

序盤は怪しんでいたものの、この時点では良キャラと認定していたトリエルさんを殺してしまったのは相当な後悔でした。直後にフラウィにも煽られるし…。

 

ここで悩んだ末に決断。セーブをせずに一旦終了し、トリエルさん殺害前に戻ります。すると、トリエルさんのセリフが、一度殺されたことを示唆するセリフに変わっていたのは鳥肌ものでした。

 

そして、戦うコマンドを選んでおきながらあえて攻撃しない(バーをスルーする)という方法を思いつきます。まぁこれじゃなくても、単純にターン経過で良かったみたいなんですけど、これで和解ルートへの変更に成功!

 

続いてこのゲームすげえなぁポイント2個目です。トリエル戦後のフラウィが、1回殺害してやり直して和解ルートにしたことを見透かし、それを揶揄するセリフを吐くではありませんか…。先程のトリエルのセリフの変化と合わせて、このゲームのメタ性の高さを把握しました。

 

その後は、順調に不殺で進みます。トリエル戦の反省で、たたかうコマンドはほぼ凍結して進みました。

 

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こいつは結局なんだったのだろう…

 

パピルス戦は、戦いの後のデートが印象強すぎて(笑)。デートのくだりの、これなんの時間?感は異常でしたけど、面白かったです。

 

アンダイン戦は、nルートで一番面白かったかも。ターンを重ねると執拗に「逃げるなよ!」的なセリフがヒントで、逃げるコマンドで実際に「逃げる」のか!と気づいた時には爆笑しました。あと、nルートのBGMで一番好きなのはアンダイン戦のやつですね〜。どれもいいんですけど、やっぱりカッコ良さがすごいです。

 

あとは、メタトンね。あんな無機質な見た目ながら、序盤からあそこまでキャラが立ってるのはすごいですね。クイズのくだりとか、お料理番組、ニュース番組、ミュージカルと。アンダイン戦から雰囲気がガラリと変わって、ネタ感が満載でした。

 

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だいぶ狂気的な番組だった

 

そして、サンズの審判。虐殺ルート(gルート)で、サンズがめちゃくちゃ強いらしいという情報は勝手に目に入ってきてしまったネタバレ情報ですが、ここで分岐するのかぁ、と思いました。結果、gルートで闘う場所は同じだけど、それまでの道中にもあそこまで変化があるとはね…。

 

そして、アズゴア戦。「みのがす」を破壊する演出カッケェ…って思いながら、じゃあどうすれば…?となりました。ここまで戦うコマンドは1回も使ってこなかったのだから、これも何か方法があるはずだ…という考えしかなく、色々試しました(トリエル戦のトラウマもある)。

 

アズゴアに殺されると、冒頭のセリフが変わるから、何回殺されると…?とか、バタースコッチパイ食べるとか(実際特殊なセリフがある)、このタイミングで何か新しい要素が発生しているんじゃないかと、行ける所に全部行ってみたり…。

 

結局何も見つけられず、悩んだ末に、トリエル戦ではじめ考えていた、たたかいで弱らせてみのがすパターンがここでこそ…と信じて、戦う決心をしました。面白い攻撃が多かった記憶があります。オレンジと青色の連続槍攻撃とか記憶にあります。

 

そして、ほらほら出てきた「みのがす」コマンド!と喜んだのも束の間、フラウィが…。そして怒涛のフラウィ戦。「わからんわからん!!」って叫びながらプレイしていたと思います。興奮しててよく覚えてないけど、復活できると分かってストーリーモードだなと察してからは、ストーリーを楽しむことを意識しました。そして、不殺の目標に沿って、フラウィは「みのがし」ました。

 

そしてフラウィに誘導されるままにpルートへ。

 

② pルート

アンダインとの和解…!この時点では戦闘時のアンダインしか知らないので、性格が意外すぎて面白かったです。槍で選ぶやつと一緒にお料理するところが最高でした。

 

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コスパという単語に反応する旅行班の鑑

 

アルフィーとも謎デートがありつつ…。順番はよく覚えてないけど、秘密のラボでストーリーの深いところが明かされていく…!

 

そしてアズゴア戦で全員集合でハッピームードからの、パピルスのフラウィ宣言…。ゾッとしましたけど、やっぱりね感もあり…。そして対アズリエル戦は、とにかく感動しながら闘った記憶…!そして和解。いやぁ素晴らしかったです。アズリエル戦のBGM、非常に好きです。

 

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最後に見て回ってこいと言われて、みゅうみゅうが居るのに感動し、メタトンも復活していることに感動し、淡い期待を持って戻ってみると遺跡に入れる…!

 

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ただ、変わったところはなく、流石に最後に行けるだけなのかなと思ったらアズリエルが居るのは鳥肌でした。

 

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アズリエルとの長い長い会話を堪能し、皆で外の世界へ。フリスクが仲介役となってニンゲンとの共存を目指す。真のハッピーエンドですね。トリエルさんにはついて行きました。

 

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こうやって思い出すと、何故gルートやってしまったんだ感がある…。

 

③ gルート

pルートクリアが2020年1月頃。あとは当然、虐殺ルートがあるだろうとは思っていたものの、この余韻を大事にしたい、彼らの世界を無かったことにしたくない…という考えで、gルートは見送りました。

 

そして2020年5月。記憶が薄れてきて、彼らの幸せを想う気持ちと同じく、gルートを含む物語全体を知りたいという気持ちが沸き始めます。また、ちょうどゲームの切れ間で暇だったため、意を決してやるかぁとゲームを立ち上げると、突然フラウィが。

 

私が後ろめたいと思っていた所をずばり刺してくる。「このままたのしくくらさせてあげて。」本編ではフラウィの姿でこんなに優しいセリフはなかったので、余計突き刺さり、そのまま何もせずそっとゲームを閉じました。

 

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そして2020年8月。コロナ情勢の中で暇の限りを尽くしていた私は、遂に手を出しました。今回はフラウィも出ず、意を決してgルート突入。

 

gルートの条件は少しだけググって、進めて行きました。「しかし誰も来なかった。」表記からのBGMの変化は単純に怖かったです。

 

そしてnルートであんなに後悔してたトリエルを一発で殺害…。この頃はまだ心が残っていました。トリエルのセリフはしびれた。

 

そしてパピルス・サンズの時点で既にストーリーの変化が…。あとでも書きますが、gルートをやって、ストーリー的に良かったと思ったのはサンズの健気さが分かったことです。この時点から忠告を繰り返してくれていたのに…。「ニンゲンのふりしといてくれ。」ってのは見透かされててウゲェってなりました。

 

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ゆきだるまの演出もエグかったですね。虐殺により主人公の性格も影響を受けている。振り返ってみれば、ここで既にキャラ(※)の自我が出始めているということですね。

 

私の場合はgs、一般にキャラと呼ばれているようなので以降キャラと呼びます。登場人物全般を指すときは、「キャラクター」と表記します。

 

またgルートでは、nルートでは多かった、キャラクターに話しかけた時のセリフの変化が極端に少なく変更されているように感じました。サンズとか、避難前のスノーフルとか。これは主人公への警戒心が強いってことでもあると思うけど、ゲームプレイヤーがキャラクターをゲームシステムの一部としてしか見ていないことを暗に批判しているのでは…?と深読みしています。

 

パピルスは最後まで信じてくれていたのに…この辺りから、何も感じないように心をサイコパスにしていきました。nルートのサンズが言っていた、レベルが上がるほど躊躇いがなくなるっていうのは本当でした。

 

とはいえ、アンダイン戦前のモンスターの子のくだりはしんどかった…。薄々そんな気はしてたけど、戦闘シーンに変わった瞬間、思わず「それはヤダ!」と言いました。

 

そしてアンダインの覚醒。「ゆうしゃが あらわれた。」はしびれました。そうだよ完全にこっちが悪だよね…。

 

アンダイン戦は2日くらいかかりました。ここまでバトル的な難所は全くなかったのでおかしいなとは思ってましたが、急に難しくなって驚きました。はじめは何か抜け穴があるのかな?と探してましたが正々堂々タイプのようで。

 

死に覚えゲー、最近楽しさがわかるようになってきたので、楽しめました。なによりBGMが最高。また、絶妙な難易度で、イライラよりは徐々に進んでいける楽しさが勝ってました。矢印の順番メモして覚えるの楽しかったです。

 

達成感で言ったら、サンズ戦よりアンダイン戦の方が強かったです。正攻法でHP減らしていく方式だったからですかね。あとはサンズ戦は終わりが分かりにくかったのもあるか。

 

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そしてメタトンは瞬殺と。メタトンも、主人公の虐殺行脚を「しごと」と比喩するなど、サンズに近しいものを感じました。

 

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そしてマフェット戦。花を添えるのはズルい……。これはサイコパスにならないと乗り越えられない。

 

フラウィの見透かしたようなセリフの数々。「こいつらをころしてみたらどうなるんだろう…ってね。」「『やりたくてやるわけじゃないんだ』ってじぶんにいいきかせたよ」「でもそんなのはいいわけさ!」完全にgルートをやるプレイヤーのことを示唆して言っています…。

 

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そして噂のサンズ戦。初手は、「こんなん無理でしょ!」って大爆笑してしまいました。

 

サンズ攻略は、毎日やってたわけではないですが、やり始めてから約1週間。装備やアイテムのおすすめは流石にググりました。

 

アンダイン戦と違い、覚えるというよりはとにかく慣れろ!系だと感じたので、とにかく繰り返し闘いました。

 

一番苦労したのは、前半2番目の青棒と白棒の組み合わせのところ。中々正解の動きがわからず、動き方が分かった後も中々安定せず。

 

その他にも、骨の隙間のカーブを移動するやつとか、中々安定しませんでしたが、カーブのルートばかり見ていたのを、とにかくハートを中心に見るようにしたら、格段に被弾が減って安定しました。途中から呪文のように「ハートの方を見る!」とブツブツ言いながらやってました。

 

後半の画面外の骨もしんどかったなぁ。心休まるのはサンズのセリフのシーンだけ…。

 

そして最後の非常に長い攻撃に辿り着くものの、回転の途中でやられること多数…。あれ、だんだんスピード変わってますよね…?最終的にビームの中に飲み込まれて終了、というパターンが5回以上はありました。

 

そして、その攻撃がスペシャル攻撃だと勘違いしていた(後半はサンズのセリフを読む余裕がなかった)のですが、あれをグダグダ・ゴリ押しながら遂に抜けて雰囲気が変わった後に、最後にまだあるの!?と恐怖でしたが、あのような結果になるとは…。

 

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一番最後の攻撃を避けきった所。HP3でギリギリだ…

 

四角を動かせるとはね(笑)。サンズも規格外で枠外でも攻撃してきてるのと同じように、主人公も規格外。

 

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そしてサイコパスエンド。サンズたちの度重なる忠告を無視して進んだ報いが来たわけですね…。キャラ(私の場合はgs)が完全に覚醒し、プレイヤーすら殺してくる。サンズ戦であんなに苦労させておいてこの胸糞エンド…やることがすごいです。

 

gルートをやって、ストーリー的にやって良かったと思ったのは、サンズのことを知ることが出来たこと。サンズ戦途中でこぼすセリフ。「どうすればふまんがかいしょうされるのかはわからないけど…ウマいメシとか、くだらないギャグとか、ともだちとかがあればいいのかな、ってさ」

 

これって、n,pルートでサンズがやってくれていることですよね。グリルビーズとかホテルのディナー行ったりとかの謎シーンがあったけど、ここに繋がるとは…。そうやって全てのルートを振り返ると、サンズの健気さに泣けてきます。ただ、幸せを掴んでも結局元に戻されてしまうから、やる気が出ないと。

 

また、とりわけサンズはこの世界の仕組みをよく知っている感じですよね。セーブ&ロードのこととか、クリアした後のリセットとか。そういう存在を知った時、キャラクターたちは果たして何を思い、どう行動するのか、それがサンズには詰まっていました。

 

gルートエンドを迎えて、gルートをやったこと自体にもう後悔はありませんが、皆を殺してしまったことには後悔しかありません。

 

④ 考察:フリスクとキャラとプレイヤーの関係性について

ストーリーについて軽く考察したことをまとめます。n,pルートクリアから暫く経っていて細かく覚えているわけではないので、明らかな矛盾があったらすみません。

 

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はじめはフリスクとキャラの繋がりってなんだろう…?と考えていましたが、恐らくプレイヤー(ゲームをやっている我々)まで含めて考えないと解決しないと思いました。

 

個人的な解釈としては、3ルート終えた状態であれば、

◎デフォルト状態、nルート:

キャラの肉体+プレイヤーのタマシイ+キャラのタマシイ(瀕死)

◎pルートエンド:

フリスク=キャラの肉体とプレイヤーのタマシイによって新しく誕生した人格、ニンゲン

◎gルートエンド:

キャラの肉体+キャラのタマシイ vs プレイヤーのタマシイ

だと捉えました。

 

元々フリスクフリスクとして存在していたという順当な考え方は、pルートで終わっていればの解釈で、gルートが存在しない世界線(gルートをプレイしないと決断したプレイヤー下での世界線)ではこれが正解ではないかなと思います。この場合、プレイヤーについては解釈のしようがありません。

 

続いてgルートが存在する世界線フリスクという存在はpルートでしか言及されなかったと記憶しています。また、gルートで虐殺を行い、その行動に応じてキャラの人格が出現したとなれば、これはプレイヤーの行動に要因があり、フリスクというよりはプレイヤーとキャラとの攻防になるかと思います。

 

続いて、動かしているキャラクターとキャラの容姿が似ている点です。仮にフリスクの肉体であれば、なぜ似ているかの解釈が難しい。gルートのフラウィのセリフから、状況的にはキャラの肉体である可能性が十分に示されています。

 

フリスクのタマシイが、キャラの肉体に入り込んだ説は十分あり得ますが、その場合、フリスクは穴へ落ちて死んで、タマシイだけとなって入り込んだ形になると思うのですが、なぜ、ほぼ死体であるキャラの肉体に入り込んだのか解釈が難しい。自分の肉体も一緒に落ちてきているはずですし。

 

そこで、上記のような解釈となりました。ゲーム開始直後では、キャラの肉体にプレイヤーのタマシイが入り込むことで、動けるようになります。この世界でのニンゲンは、死後もしばらくタマシイが残るらしいですが、プレイヤーはその世界の外にいるので、数段上の力を持っています。生きていながらタマシイをこのゲームの世界に送り込むことが可能なわけですね。

 

この時、キャラのタマシイは死の淵にあったとキャラ自身が言っており、完全に失われてはいなかったと推測されます。

 

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ここでいう「お前」はプレイヤーと解釈

 

pルート寄りを辿れば、LVは上がらないのでキャラのタマシイは瀕死のままで顕在化しません。プレイヤーの平和主義的な思想に影響を受けて新たな人格が形成され始め、最期にはプレイヤーの手を離れた人格としてフリスクが誕生し、キャラの肉体と融合して完全な別人となったのだと解釈しました。

 

フリスクがプレイヤーの手から離れた影響、それから結局はプレイヤーの方のケツイの強さでゲームが保たれていることから、pルートをクリアすることで、フリスクの意思を問わず、プレイヤーの手で本当のリセットができる、と。

 

gルートでは、プレイヤーの残虐な行動、LVの上昇に伴ってキャラのタマシイが息を吹き返す。最期にはこれもプレイヤーの手を離れ、キャラとして復活する、と。

 

gルートラストで出てくるのが本当のキャラの容姿で、ゲーム中の肉体は半分腐った状態なので若干違い、表情もうまく作れない、と解釈。

 

最期に、恐らく初見であればキャラの名前は、操作するキャラクターの名前を入力するものだと捉えるはずで、大半が自分の名前として入力すると思う。それを見越していると考えると、以下のような解釈もできると思う。

 

gルートが存在しない世界線(gルートをプレイしないと決断したプレイヤー下での世界線)であれば、フリスクの物語を追体験したという純粋な解釈で、幸せに終わることができる。

 

gルートが存在する世界線での解釈としては、pルートをクリアしても現れるのはフリスクという人格。その平和主義的な考えはあくまでフリスクのもので、プレイヤーのものではないと言われているような気になります。そしてgルートクリアで顕在化するのは自分の名前であるキャラの人格。物語としては、キャラとプレイヤーは区別した方がいいと思いますが、gルートをやるようなプレイヤーの本当の人格はコッチでしょ、知ってるよ、と言われたような気がしました。

 

考察おしまい。

 

⑤ まとめ

そういうものをそういうものと片付けない所が、UNDERTALEの1番の魅力だと思います。

 

gルート終わりで後味は最悪ですが、この後にやるn,pルートの方がもっと胸糞らしいので、少なくとも今はやる気になれません。完全リセットしてn,pルートやるのも、それは違う気がするし…。この気持ちは大切に取っておきます。

 

UNDERTALEは非常に多くの人に遊ばれ、また今でも新しく遊び始めるという人も多いように思います。それは、私が遊ばなくなっても、他の人の手によって世界がリセットされてしまうということです。

 

時に幸せを掴み、時に虐殺されながら、何度も何度もリセットされるキャラクターたちのことを想うと、たまりません。こんなことを言うと「どの口が」とフラウィやサンズに言われるでしょうが、どうか、gルートを経てなお、私たちプレイヤーの預かり知らぬ所で、サンズたちが本当の幸せを掴む世界線がありますように。

 

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文明が衰退した世界をゆく旅人

人ノ町は、完全に表紙買いです。小説を表紙買いしてもあんまりいいことないんですけどね…。

 

とはいえ、この人ノ町は、読んで良かったです。これをSFと呼んでいいのか分からないけど、SFを久々に読みました。

 

ミステリー要素もありながらだったので、段々と明らかになってくる後半でイメージが変わりました。メリハリがすごくついていて良かったです。

 

以下、ネタバレ有りで章ごとに少しみて行こうかと思います。

 

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【風ノ町】

導入の章でした。こんな感じで進めて行きますよ〜みたいな。独特の描写でやや戸惑いましたが、すぐに慣れました。

「風に吹かれる」とは、中々粋な表現だなと思いました。

 

【犬ノ町】

犬や獣に関して非常に興味深い見解を得ることができました。

獣の行動に人間的な意味を求めるのは勝手な擬人法であることや、人の愛着を得た獣が犬なのだということなど。一理あるなぁと思う部分が多かったです。

これに限らずこの小説は全般に、世界に対して面白い解釈をしてるなぁと思います。

 

【日ノ町】

この章の旅人が、やたら勘が鋭くて、旅人って1人じゃないのかもな、とうっすら思い始めました。

そして融合炉が出てくるとはね…!技術の退廃が進むようなことがあればこういうこともあるのかな。

表紙裏あらすじでミステリー部分を推していたのは、今我々が現実で生きている世界の延長線上にあるという展開なのかな?と頓珍漢なことを考えていました。

 

【北ノ町】

だいぶ衝撃的な章でした。文庫化にあたっての書き下ろしみたいですけど、この章があるとないで、石ノ町で受ける印象がだいぶ変わってきてしまうと思うんだけど…。

ラストは謎を程よく残したまま、絶妙な書きっぷりですね。石ノ町を読んだ後に読み返すとあぁ〜ってなりました。「これが死だ。」の余韻と言ったら…。

 

【石ノ町】

いわゆるネタバラシの章でした。前章で死んだはずの旅人が当然のように居るのでやはり1個体ではないなぁと思っていましたが、まさか不死の民族だったとは。これまでの微妙な違和感を解消する、見事な伏線回収でした。石積みの哀愁がすごい…。

現実でも、時間スケールは果てしないはずだけど、それでもいつか抗いようのない突然の大量死があるだろうことを考えると、現実もこうなる可能性が十分にあるのだろうな、と思いました。特に、ネット世界が維持できなくなるほどの規模だとすると、失われるものは膨大ですよね…。

北ノ町がない前提で考えると、ネタバラシが唐突すぎる印象を受けるんじゃないかな…?と思った次第です。

 

【王ノ町】

これからの話でしたね。不死の設定詳細は考察できてませんが、たぶん、肉体は衰えないだけで、外傷とか、精神から来るものは別って感じですよね。

眼の件はそういうこととして、旅人がやたら年を取ったようになっているのは、肉体的な側面ではなく精神的な側面なのではないかと思います。石ノ町でも似たようなことが語られていましたが。

旅人は、世界的に有名となるほど世界を回りきってしまった。だから、精神的老化を防ぐ方法である「新しいこと」が減ってきて、老化が始まっている。最期に、建国の後押しをするような行動をしたのは、まさしく世界に「新しいこと」が生まれることを期待してなんじゃないかな、と思いました。

 

これからも旅人に良き出会いがありますように。

メジャー!トレジャー!ノポンジャー!!

ゼノブレイドは、ゼルダのブレワイが終わって持て余してた所に、とある友人に薦めてもらって、ゼノブレイド2をやったのが始まりです。見事にハマり、かなりの期間遊んでいました。

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本当のRPGらしくキャラごとに役割がハッキリしていて、パーティを組んで闘う、こういうゲームはほとんどやってこなかったので、初心者的な楽しさがありました。

そして今年、無印もスイッチで出ましたので、ウキウキで今回遊びました。

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以下、がっつりネタバレありの感想を無駄に長く書いていきます。

 

 

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【プレイスタイル】

基本はメリハリをつけたプレイをしました。ストーリー進めるときはひたすらストーリーを進め、サブクエを進めるときはひたすらサブクエ、という感じです。クリアまでの中に、数回サブクエ期間がありましたかね。ただ、ゲームとしては、サブクエやらないと詰むわけではなく、ストーリー進行で道中の敵をきちんと倒して進んでいけば、つっかえずに進んでいける絶妙な難易度調整だったと思います。ボス戦で苦戦することもあまりなく、難易度的には2より簡単な気がしましたが、戦闘システムに慣れすぎていたおかげかもしれません。

 


【パーティ編成】

序盤は当然カルナ・ライン・シュルクで、カルナを操作してました。2もそうだったけど、ヒーラーが性に合ってるみたいです。

中盤はカルナ・ダンバン・シュルクですね。ここでもカルナが操作キャラです。メリアとリキ加入で変更を少し考えましたが、この2人は結構クセのあるキャラで、なかなかパーティ編成イメージが湧かずに、結局メインはこの3人でした。

終盤は、変わらずカルナ・ダンバン・シュルクと、フィオルン・ダンバン・シュルクを使い分けてました。後者だとフィオルンが強すぎてフィオルンがタゲを持っていっちゃうんですよねぇ…もっとジェムとかで工夫したらよかったんでしょうが。操作キャラはカルナorフィオルンを心がけましたが、本当の終盤はシュルク頼りな所が多かったのでシュルクを操作してることが多かったですね。特に後者パーティだとヒーラーも兼ねるわけですし。

 


【バトル】

大きな所は2と似ていて、親しみやすかったです。アーツを中心に色々考えることが多いので、オートアタックなのはとてもちょうど良いというか、オートアタックじゃないとキャパオーバーする感じですね。

それにしても、戦闘システムが慣れてくると本当に楽しいです。ザコと戦ってるだけでも延々やってられる。ブレイドチェイン(名前忘れました)や属性玉がない分まだシンプルでしたが、崩しから転倒までの繋がりとか、チェインアタックとか、考えるの楽しかったです。

ただ、スパイクだけはしんどかった。特に、デフォルト状態だとオートアタックでダメージ喰らうやつ。モナドアーツを打たないといけなかったり、チェインアタックで転ばせてから、と中々初見では難しい相手です。このダメージを軽減できるジェムの存在を知ったのは最終戦闘直前のスパイク付きドラゴンの所。よく考えればそらあるよね……。

 


【ストーリー全体】

2が超王道少年漫画のストーリーをラノベキャラでやった感じと評するのであれば、無印は超王道少年漫画の登場人物がやや仄暗い所も含む深めのストーリーを紡いでいく感じの印象でした。誤解のないように言うと、どっちも褒めてます。無印が私の青年部分を刺激し、2が私の少年部分を刺激するような作品でした、ということです。


あと、Wiiの時は見た目固定ができなかったっていうのは本当ですか??私は、ラインを謎のオッサンコーデにしてストーリームービー見たらいろいろ台無しだったのでそれ以降、みんな初期見た目で固定してやってました。装備の強さを優先してるとストーリームービー中に変な格好をされるのは中々大変だったんだろうなぁと思いました。神機能なのだと思います。

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シュルク

めっっちゃ主人公っぽい主人公でしたね〜〜!2は主人公レックスの「成長」が主軸にあったように感じましたが、無印はシュルクの「選択」が主軸にあったように感じました。主人公なのにまともなスクショなくてすまん…。

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ムムカやエギルを殺さない選択をするシーン。「復讐」というものに盲目的にならず、しっかりと相手の立場・境遇も考えながら、自分の考えをアップデートしていける。シュルクにやられるまでアップデートしていけなかったのがエギルで、対照的でしたね。

最期の最期の「神なき世界だ!」はジーンときました。めちゃくちゃシュルクらしい選択だなぁと。

ただ、彼には狂気的な部分があることを忘れてはなりません。バトルで叫び狂い、カルナラインとの掛け合いで狂った笑い声をあげるのは、彼です。

バトルでは、なんといってもモナドアーツが重要すぎました。このおかげ(せい)で、彼は常にメインパーティに居ましたね。本当に最期のザンザとの決戦のさなかに、未来視したときにタレントアーツが溜まるというぶっ壊れスキルを習得して、大活躍でした。終盤は未来視対策としてほぼほぼシュルク頼りだったので、シュルクを操作キャラにしてました。

 


【ライン】

シュルクの相棒ですね。中盤以降にも、ラインのことをもうちょっと掘り下げる局面があった方がより良かったかな〜と思いました。カルナとの関係性の中でのやり取りがあったくらいでしたので、彼自身のストーリーも見てみたかったな。

バトルではタンク役が好きではないので、操作はほぼしたことないです……。

 


【カルナ】

私の大好きな圧倒的ヒーラーです。あまり多くは語られませんが、ガドとの関係性がとても好きで、またバトルでもずっと使っていたので愛着のあるキャラです。オーバーヒートシステムがあったりして火力貢献は殆どできないキャラですが、その面倒くささがクセになる操作性でした。

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そして、フィオルンの流れから絶対来ると思っていた対ガド……つらみが深いです。なぜガドをあそこに置いていったのだ……。カルナだけでも残って先に避難しろや……。ガドとラインの対比がなかなか良かったです。

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【ダンバン】

保護者ポジだと思っていたら、ちゃんとメンバー加入されてびっくりしました。カッコよさで言ったら個人的には一番です。やっぱ刀ってカッコいいよね。誰よりもフィオルンのことを優先したいはずなのに、年長者として威厳を保っているのはカッコかわいかったです。

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バトルでは、加入後はラインに代わってメインパーティにほぼずっと入ってました。ただ、妹にタゲを奪われてしまうタンク役の兄よ……。

 


【メリア】

はい、可愛いです。中盤はメリアが半分主人公でしたね。頑固で誠実で真面目なメリアが、シュルクたちとの出会いによって変わっていく。

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父上との別れのシーンは言わずもがな、兄上とのシーンでもなかなかくるものがありました。そして、変わっていきながらも、これからも変わらずに、ハイエンターのために全力を尽くしていくんだろうな、というのが感じられて良かったです。

ヒロインとしてもとても魅力的でした。フィオルン復活の兆しを受けて、自覚のない嫉妬を覚えているような描写、カルナとのやり取りが最高でした。フィオルン復活、そしてフィオルンの圧倒的なヒロイン力によってなかったことにされないかすごく心配していたのですが、決戦前にしっかりとフィオルンとのやり取り、そしてメリアの中での一つの落としどころが見つかる描写があったのが非常にポイント高いです。

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なんと言っても可愛いのでパーティに入れたかったのですが、なかなか役割を持ちにくく、あまりパーティに入れられませんでした。いま「つながる未来」の方では絶賛操作キャラとして使っていて、ようやくその真価が分かってきたところです。バフ盛り盛り楽しいですね。

 


【リキ】

今回ノポンがメンバーにいないなーと思っていたら突然の参入!リキを仲間にする前にサイハテ村のショップでリキのアーツ書を売っていたのはどうかと思います。リキももう少し掘り下げて欲しかったな〜というキャラですが、特に後半のシリアス展開をうまく和ませてくれる重要キャラでした。ラインのしつこいくらいのオッサン呼ばわりが個人的にツボでした。

印象的なのは、落ちた腕でリキ・ダンバン・メリアで行動していた時に、メリアが疲れていることを察して機転をきかせて休憩に持って行き、あろうことかダンバンの相談相手までやってのけるというイケメンっぷりです。だてにオッサンじゃないですね。

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バトルは、なかなかトリッキーなアーツが多くて、早々に諦めてしまいました…。これからチャレンジしてみたいと思います。

 


【フィオルン】

衝撃のヒロインでしたね。序盤の展開だと、ダンバンが死亡フラグビンビンだと思ってたんですが、まさかの……。フィオルン脱落が無印で一番ストレスがかかった所だったでしょうか。フィオルンがヒーラーじゃないことで察するべきでしたかね…。

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そして奇跡の復活!フェイスがムムカボイスだった辺りから、フェイスには人が入ってるっぽい→フィオルン展開あるか!?とワクワクしてましたが裏切らずにやってくれました。

そして落ちた腕での、目覚めのやり取りで、これこそが本物のメインヒロイン……!!!となりました。

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フィオルン元々の意志の力強さが、後半のシュルクたちをうまく引っ張ってくれていたかな、と感じました。また、メイナスの依り所であるフィオルン、ザンザの依り所であるシュルクの対比も、綺麗でした。

バトルでは、とても強いですね(笑)。ファイナルクロスは面白いくらい削れるのが爽快でした。

 


【さいごに】

存分に楽しめました。ただ、まだまだ楽しむ要素が残っているのでワクワクです。いまは「つながる未来」をプレイ中で、メリアとノポンジャーの可愛さを堪能中です。フィールドでも大量のノポンがついてくるのはズルすぎます…!

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メインの方もいくつかやり残しを回収するとして、どこまでやろうかな…。無印やりながら2もやりたくなってたので、一旦落ち着いたら2の強くてニューゲームやろうかな。どうしようかな。

おかねはだいじ。

「老後の資金がありません」は、いつどこで買ったかもよく覚えていないですが、恐らく1年くらい積読されていて、ようやく読むことができました。

 

前までは、原則買った順番に読んでいくことを自身に課していたのですが、それが読書欲を抑制してしまうことがあることを自覚し、やめました。なので、私の積読本たちの中には、恐らく2年は超えていそうなベテランさんも居ます。

 

さて、題名のイメージからドタバタコメディ系かと思いきや、結構重いというか、現実的な課題を見せつけられているようなお話でした。

 

幸せって、ようするに自分の考え方ひとつなんだけど、やっぱりお金って大切で、でも幸せって、ようするに自分の考え方ひとつよね、そういう話だったと受けとりました。

 

今の時代、懐事情で、半強制的にその人の価値観って多少なりとも変わってきてしまう状況だと思います。

 

「幸せ」自体については、お金の依存度は低いと信じたい。ただ、「何に幸せを感じるか」については、依存度が高そうなので、やっぱりお金なしに幸せを考えることはできないのだなぁ、そういうことを考えました。

 

映画化するみたいなんですけど、ホームページみたらそれだけでわかるレベルで、原作との乖離度が大きそうだったので、別作品として受け取ることにします。

「食べるってすごい。生きたくなっちゃう」

「まだ温かい鍋を抱いておやすみ」は、彩瀬まるさんの最新作です。

 

大きなテーマは、「食べるって、すごい」ことだと思います。ここ最近の深めで複雑なテーマを引き継ぐ部分はありつつも、食べるということから人間が得るエネルギーの偉大さで単純化していける部分はあるぞ、ということを感じました。すべてに対して真摯に取り組むには、世の中は複雑すぎる。食べものから力をもらってこれからも生きていきましょう。

 

以下、各短編ごとに思いっきりネタバレです。

 

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①ひと匙のはばたき

仄かな百合でした(作者自認)。そしてファンタジーでした。清水さんはこれまで鳥に依存していたけれど、これからは自立しながらも、乃嶋さんと支え合っていけたら理想的な関係だなぁと思いました。こういうの、羨ましい。まずはオサレダイニングバーの常連にならないと…。そうじゃないですね。そして、煮込みがどれも美味しそう。

 

②かなしい食べもの

このパンは、確かにかなしい食べものだけれど、確かに灯を支えてくれた食べものなのだ。それをきちんと分かって、自分の意思を添えて、しっかり言葉で伝えてくれる透くんがイケメンすぎる…。そして最後に、一歩踏み出す。ちょっと背伸びしてるのも、いい。そして、枝豆チーズパンが美味しそう。

 

③ミックスミックスピザ

早百合は、「ちゃんとする」に囚われて、そして急に限界が来てそれを手放してしまった。妻そして母親、そして社会人という役割を演じるのに精一杯で…という感じ。ラブホで食べるピザは、「ちゃんとする」の対極にある食べものなのだと思う。ピザそのものに加えて、その状態が。それで思い出す、晴仁さんとの思い出…。ここで思い出すのには理由があると思っていて、食事そのものだけではなく、環境や相手も含めての経験がとても大切、ということを改めて気づくための手段だったのではないかなぁと思います。そして最後に選び取った経験は…。そして、葛切りが美味しそう。

 

④ポタージュスープの海を越えて

結構刺さった。私も、スーパーの買い物では「(私の誤った知識のうえで)いかにちゃんとした食生活になるか」を考えて、アッチコッチ迷いながら進む。私も、母親の好きな食べものは?と聞かれて自信を持って答えられる気がしない。とろーんとした無自覚の中にいる人しか作れない、なんでもねがいがかなうけん、私も欲しい。一番ファンタジー味が強い作品でした。そして、薬味たっぷりの鰹のたたきが美味しそう。

 

⑤シュークリームタワーで待ち合わせ

これも結構刺さった。今の時代は、結婚に対する考え方をはじめとして、色々な価値観を、それぞれがそれぞれに対して認め合う時代になっていると思うけど、果たしてそれが理解しあえる関係かというと、なかなか難しいのだと思う。ただ、それだけで離れてしまうのは悲しくて、確かに支えあっていける部分はあるのだ、という祈りの物語だったと思います。私も、シュークリームタワーで待ち合わせしたい。あとは、食べものが人に与えるエネルギーって、すごい。「生きたくなっちゃう」は凄い台詞…!そして、鶏ささみと大根おろしと生姜のスープが美味しそう。

 

⑥大きな鍋の歌

仄かなBLでした(作者自認)。野栄の「人間関係をマジでバカにしてるっているか…」という台詞に後ろから刺された気分。私も、他人から見た自身の価値を小さいだろうということを言い訳にして、人間関係を蔑ろにしがちな部分がある…。もっと気楽に、もっとご縁を大切に、もっと他人に興味を持って生きましょう。そして、鶏肉とかぶのシチューが美味しそう。

凪良ゆう 書店応援ペーパー

「流浪の月」が本屋大賞に選ばれたものの、このご時世で、本屋さんは休店が相次ぎました。そして緩やかに回復した頃、書店購入特典として番外編の配布がありました。凪良さんとしても思うところが多かったのだと思います。

 

凪良さんに関しては元々、出版社横断的な宣伝が多い方でしたが、それでも出版社がバラバラな3作品の番外編を配るというのは、なかなかすごいことなのではと思います。

 

何はともあれ、普通に売ってくれ…と思わなくはなかったですが、流浪の月の2冊目を購入し、無事に番外編を手に入れました。

 

3作品とも大好きなだけに、やや不安でしたが、杞憂すぎました。どれもまた読み返したくなる、良い番外編でした。

 

以下、がっつりネタバレです。

 

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①未来の月へ

梨花ちゃん持ってくるのは流石です。更紗と文の一番の理解者でありながら、まだ未熟で、2人に影響を受けながらこれからを進んでいく、梨花。2人が居ることで、前を向いていられる部分もあるけれど、ちょっぴり危なげな部分もあって。梨花ちゃんが辿り着く未来にも、興味があります。

 

②架空の食卓

うる波と鹿野くんがたどり着いた日常。今の暮らしが幸せで、これが2人の真実だけれど、誰よりもこれが正しくないことを知っているから、確かめたくなる。最後の凪良さんの一言が、この物語の全てのように思います。

 

③ぼくの美しい庭

これはずるい…。作中であまり多くは語られなかったけれど、統理にとっても確かに美しい庭なのだと確認できました。統理のお茶目な部分も知れて良かったです。続編があったら嬉しいです。